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皆様

 東京都立大学人文学部英文学専攻教員からのアピール

 東京都立大学では、石原慎太郎氏が都知事に就任直後の2000年はじめ頃から、都立4大学(東京都立大学、都立科学技術大学、都立保健科学大学、都立短期大学)の再編統合を柱とする大学改革が進行してきました。

 東京都庁(大学管理本部)と大学側の代表が参加した機構による協議が行われ、さまざまな紆余曲折を経て、一定の新大学構想がまとまり、2005年4月の開学に向けて実務作業が大詰めにさしかかっていた本2003年8月1日、石原知事は記者会見において従来の改革準備機構の廃止と新しい機構の設置、 従来の改革構想の廃棄と新構想概要の発表を行いました。

 新しい改革準備機構は、現4大学の大学運営機構を排除して東京都庁(大学管理本部)に決定権を集約したものであり、新構想概要は学部編成、学部名称、学部内のコース配置など本年7月までの計画とはまったく異なったものでした。

 それ以降、わたしたちの所属する人文学部英文学専攻に関して9月20日現在で漏れ伝わってくる学部内コース編成は

都市教養学部
  人文・社会学系
    社会学コース(社会学、社会人類学、社会福祉学)
    心理学コース(心理学、教育学)
    国際文化コース(哲学、歴史学、国際文化)

というものです。
【ちなみに、現東京都立大学の場合は、人文学部 〔哲学科、史学科、心理・教育学科(心理学専攻、教育学専攻)、社会学科 、社会福祉学科 、文学科(国文学専攻、中国文学専攻、英文学専攻、独文学専攻、仏文学専攻)〕という構成です。】

 本年7月までの構想では、教員定数110が新人文学部に予定されていました。 現在の人文学部定数からは大幅な削減です。8月1日以降の計画では、それからさらに50弱が削減されそうだという話が伝わっている状況です。その場合、種々の条件を勘案すると、上記「国際文化コース」中に英米文化部門が存在するとしても、その教員定数は五指に満たないものであろうと推測されます(現在の英文学専攻教員定数は31。この31名が都立大全学の英語教育と専攻・大学院の教育を担当しています。また、都立短期大学5名、都立科学技術大学1名、都立保健科学大学2名の英語教員定数があり、総数で39の英語担当教員定数がありました)。

 東京都空前の財政難を背景に大学の縮減と改革が同時に進行する事態の中、都立4大学のどの部門もそれなりに削減を受けいれざるをえなかった状況下とはいえ、縮減圧力の大部分は結果的に都立大学の文学研究部門、外国語教育部門、それに短期大学に集中することとなりました。大学において人文学、とりわけ文学研究を取りまく厳しい環境の端的な現れであると考えますが、この環境の中で市民、学生、学内他部門の教職員、最終的には設置者である東京都に、わたしたちの教育研究活動の意義を理解してもらう努力に欠けるところはなかったか、 反省の念とともに現状をご報告せざるをえません。

 しかし問題は、ただ単に文学研究の危機的状況にとどまりません。 国際文化コースの英米文学、英語学関係「教員定数は五指に満たないものであろうと推測されます」というはなはだ心許ない表現からご賢察のとおり、 8月1日以降の新大学設立準備作業が、現大学教職員を排除した徹底的な情報管理のもとで行われているため、 当事者のわたしたちにも正確な数字の把握が困難な状況なのです。

 その結果、現都立大学の学生、院生には、うわさの域を大きく出ないあいまいな情報しか伝わりません。 学生、院生には入・進学の際に学習、研究条件の維持が保証されたはずです。 教員定数の極端に大きな圧縮と組織の根本的な再編成によってこれが不可能に近いほど困難になりそうな状況であるとすれば、 学生、院生は不当で取り返しのつかない不利益、当然の権利の侵害を被ることになります。 その当事者に、東京都(大学管理本部)はまったく具体的な情報を伝達しません。 教職員にも情報管理を徹底し、情報を伝達する自由を封殺しようとしています。

 大学の自治と思想信条の自由によって社会から相対的な独立を保 持することこそ、やがて大学が社会に研究成果を還元するための最 重要の条件であると、わたしたちはこれまでの改革協議過程におい て主張してきました。そうしたわたしたちが、今自分の研究拠点で 進行中の自由の剥奪について、研究者同僚諸兄姉に事実をお伝えし ないならば、研究活動の条件をこれまで与えてくれた社会の信任と 同僚諸兄姉の信頼に答えるための最低限の義務をも果たさないこと になると考え、状況をご報告した次第です。

 以上ご報告した上で、わたしたち東京都立大学英文学専攻教員は、以下の声明を発表します。

1.わたしたちは、都立新大学設立準備作業において、学生・院生、教職員が協議過程から排除され、情報から遮断され、 意見を述べる自由、情報を伝達する自由を制約されている状況を、民主社会で共通に承認されている意思決定手続きから逸脱しているものと考え、 この事態に強い反対の意思を表明します。

2.わたしたちは、現東京都立大学英文学専攻所属の学生・院生が、新大学設立後も現在の学習、研究条件を保証され、 東京都によって約束された権利を侵害されることのないよう、東京都に強く要求します。




井出 光  伊藤 誓  宇沢美子  遠藤不比人  折島正司  加藤光也  菊池清明   グレチェン・ジュード  
秦 宏一  末廣 幹  高岸冬詩  高野一良  高見健一  高山 宏  辻 麻子  中島平三  永富友海  
中村英男  萩原裕子  長谷川宏  エロイス・ピアソン・浜谷  平尾吉直  深沢道子  福島富士男  福間健二  
本間 猛  松山哲也  三宅昭良  村山淳彦  本橋哲也  渡部桃子

この声明にご賛同いただけましたら、ぜひともmetro-e-owner@egroups.co.jp までお名前とご所属(またはお住ま いの市町村名)をご連絡ください。
(大学/研究機関に所属されている方で、非常勤講師・学生の方につきましては、その旨明記していただけますと幸いです。また海外在住の方は、お名前とご所属の日本語表記も お知らせください。)

お名前、ご所属をこの声明とともに、「賛同者」としてこちらに掲示させていただきます。

英語版はこちら
(If You would like to read this page in English, Click here)

 人文学部教授会の抗議声明はこちら 

http://toritsueibun.hp.infoseek.co.jp/
(都立英文学会HP)




■■関連ホームページ■■

東京都立大学・短期大学教職員組合のホームページ
http://www5.ocn.ne.jp/~union-mu/

都立大学人文学部独文専攻をつぶすな!
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Lounge/2076/onegai.html

東京都立大学人文学部仏文学研究室のページ
http://members.jcom.home.ne.jp/frsect_metro-u/

日本英文学会、日本アメリカ文学会、日本英語学会の連名の要望書
「都立四大学の統廃合問題について」
http://www.elsj.org/

日本アメリカ文学会東京支部からの抗議声明
http://www.geocities.jp/amebun_tokyo/top.html

日本中世英語英文学会の声明文
http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/~yiyeiri/medieval/



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東京都に直接ご意見を寄せていただける場合は、

「都民の声総合窓口」

というものがあり、都政に関する意見を下記から直接書き込めるよ うになっています。(住所、氏名、電話番号、メールアドレスなど 全部書き込む形になっています。ですから、「都民」の方だけの声 を寄せてほしいということなのだと思われます。)

https://aps.metro.tokyo.jp/tosei/aps/tosei/mail/koe.htm

書き込まれたものは、編集した上で要旨が紹介されるかたちです。

ちなみに、8月の「都民の声」では「新大学構想に賛成が6,反対 が3」だったと書かれています。

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(C) 東京都立大学英文学会 東京都八王子市南大沢1-1 人文学研究科 英文学専攻 院生室内
2003.